2022年4月26日に、特定技能が従来の14分野から12分野に再編されることが決定しました。
本記事では、この再編の内容や今後の影響について簡単に紹介します。
再編される対象分野とは「製造業3分野」
今回の措置により、従来あった特定技能の14分野が12分野へと変更となります。
元々、特定技能14分野の内、3分野は製造業であったため、その3分野が統合されて1分野となりました。
再編される理由
再編される理由としては、「産業機械製造業」が5年間の受入れ人数枠の定員を超えたことが挙げられます。
近年、半導体製造装置やロボットへの需要が急激に高まったことにより、「産業機械製造業」にて就労する特定技能外国人が急激に増加しました。
そのため、製造業3分野の中でも、「産業機関製造業」の人数が急激に増える結果となりました。
ちなみに、2022年2月時点での、製造業3分野の人数枠の充足状況は次のとおりでした。
3分野 | 5年間定員数 | 2022/2時点人数 | 達成率 |
産業機械製造業 | 5,250 | 5,400 | 102,9% |
素形材産業 | 21,500 | 3,482 | 16.2% |
電気・電子情報関連産業 | 4,700 | 2,876 | 61.2% |
今後の予想される影響
製造業協議会の加入方法の変更
現在、製造業3分野の特定技能協議会申請は、申請の際にどの分野で申し込みをするか選択する必要があるなど、手続きや審査をする部署も分かれています。
3分野⇒1分野へ統合されることにより、協議会の加入方法などにも影響があると思われます。
製造業3分野の人数枠
製造業3分野が統合されることにより、統合された製造業の分野は31,450人の定員数を抱えることになります。
統合によって、もともと達成率の低かった「素形材産業分野」に属していた企業は、実質的に受入れできる人数が減ることになります。
受入れ職種の増加
製造業3分野では、それぞれの分野で、受入れすることのできる特定技能外国人の職種が違いましたが、統合によりこれらのルール決めが緩和?または別のルールができる可能性があるでしょう。
現在、それぞれの分野で受入れできる特定技能外国人の職種は下記のとおり。

協議会加入の審査期間
現在、製造業3分野の特定技能協議会への加入審査は半年程度かかることもあるようです。
また、従来は3分野ごと審査部署が分かれていましたが、今回の再編により、今後の審査期間に良い?悪い?影響がある可能性があります。
分野統合について意見提言可能【2022年5月12日期限】
今回の分野統合について、5/12日まで政府に意見することができます。
下記の2つのページが「意見公募」のサイトです。
特定技能外国人材制度のおける素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野の特有の事情に鑑みて定める基準の制定に対する意見公募について
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=595122033&Mode=0
出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の特定技能の項の下欄に規定する産業上の分野等を定める省令の一部を改正する省令等について(意見募集)
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=315000052&Mode=0